水 原 華 城


朝食を頂いた後に向かったのは、韓国の世界遺産「水原華城」です。 ソウル市街から高速道路を使って 約40分で到着します。 ここも統一展望台と同じく管理人が非常に見たいと思っていたところです。 どーも武器とか 城とかいうキーワードに弱いようです。 こちらの「華城」は「ファソン」と読みます。 

華城は韓国京畿道水原市にある李氏朝鮮時代の城塞遺跡です。 華城行宮という王様の別邸を中心に、全長5.7kmの 万里の長城のような城郭と、その要所要所に門、砲台、やぐら、兵士の休憩所、軍事指揮所、訓練所などを東西南北に 整然と組み込んだ建造物です。 水原市民の憩いの場でもある水原城は1997年に世界遺産に指定されてから修理復元も 急ピッチで進み、今では気軽に見学できるようにしっかり整備されています。

この水原華城というのは敷地は相当広いです。 遥かかなたに見える山の上まで続いています。  これを全部制覇するには1日かけても難しいそうです。 ということで今日は水原華城の東側〜北側に 焦点を当てて見学しました。



「蒼龍門」

まず最初に見えるのが、「蒼龍門」です。 この「蒼龍」という名称は旧日本帝国海軍の 正規空母「蒼龍」と名前が一緒なので馴染み深いです。 日本の城とは随分見栄えが違いますが、 韓国の門は非常に堅固に見えます。 レンガを積み上げているので、火矢などによる火災も防げそうです。

この蒼龍門は水原華城の東門として1795年に建立した門です。 但し現在のものは、 朝鮮戦争のとき消失してしまったものを復元したものとなっています。 積石のアーチ型の門の上に 楼台が建っています。 蒼龍門の外城である東甕城は17.2mあり、14の銃眼があります。  この銃眼も弓用のものや鉄砲用のものなど用途によって形状が異なっていました。

ちなみに門の前に写っている赤い服を着た人達はボランティの方々で、水原華城のゴミ拾いをしているんだそうです。
「東北空心敦」

次にやってきたのが東北空心敦です。 この水原華城の外壁の至る所にこのような見張台や、 倉庫が建てられています。 この東北空心敦もその一つ。 なにやら非常に変わった形をしていますよね。 

東北空心敦は、兵士が中に入って敵を見渡せるように作られた望楼の一種とのことです。  特にこれは、煉瓦を使って建てられた建物であり、華城の中でも特に素晴らしい傑作と 呼ばれているものなんだそうです。 中に入って外を眺めてみましたが、水原華城が一望でき、 城壁と城壁内の街の様子を見ることが出来ます。
「東北弩臺」

これもすごく角角していて堅固そうな施設ですよね。 しかも形が無骨で個人的には非常に 好きな部類の建物です。

東北弩臺は華城の東北方向に位置する大型弓を射るために設置した施設です。 大型弓はスェヌェと いいますが、当時開発された多連発弓であり、火薬を設置して射ていたんだそうです。
「東北舗楼」

こちらは東北舗楼といいます。 東北舗楼は華白の5つの舗楼の中東北側に位置している。  舗楼とは城壁を突出させて造った雉城の上に建物を建て、兵士達が敵に見えないようにした見張り台や 待機所のようなところです。 建物の形が踊り子の頭に鉢巻を巻いた姿に似ているところから、別名「角巾台」とも言われます。
このように城壁の脇がずっと通路のようになっており、途中に様々な建物が並びます。 一見すると、本当に中国の万里の長城のように見えますよ。  この城壁がずっと延々と伸びているのを見ると圧巻です。
「東将台」

この建物には壁がなく、柱だけになっています。 ここは兵士に軍事を指揮した場所で、 西将台同様、城内を見下ろしながら指揮できるようにと高い場所に建てられています。  また兵士を訓練した所でもあり、錬武台とも呼ばれています。 なだらかな丘の上に 一面芝生が広がっていて、まさに訓練場そのものです。 韓国式弓道の練習場が設けられていて、 一般の人も会員になれば、弓の練習をさせてもらえるそうです。 秋の華城祭では実演もあるそうです。
「東北角楼」

これも面白い形をしていますよね。 特に屋根の造りがこれまで見た建物と全然異なります。  不思議なのは、ここまで見た建物がすべて違う形をしているんですよね。 まぁ用途が異なれば 形が変わるのは当たり前だとは思いますが、城には色々な機能があるのですね〜。

東北角楼は、華城の東北の竜淵という池の上に建てられた東屋であり、又の名を訪花隨 柳亭ともいいます。 朝鮮時代の王室の最も美しい東屋の一つに数えられているそうです。  元々の設置目的は八達山華城將臺が敵に奪われた際に、第2の臨時戦闘指揮所として使用する ためだったそうですが、竜淵の秀でた美しさと合わせて、戦闘の機能よりは宴会の空間として 活用されたそうです。
「東暗門」

この暗門というのは大門と大門の間に位置する小さな間の門である。 一般的に暗門は奥深く入っ た所に作ることにより、敵に知られずに人、家畜、車、食糧、武器などの軍需物資を城内中に供給する 重要な施設なんです。

東暗門は東将台の西方面に位置しています。 レンガで内外のアーチが作られており、馬が1頭通ることが できるようになっています。 周りには門だということが分からないように、木々が生えています。
「華虹門」

水原華城唯一の水門で、水原市の北側から流れ込んできた水原川は、ここを通って城内に 流れ込んでいきます。 門の上にはとても立派な屋根が乗っていて、写真撮影にはもってこいです。  季節によって水量がかなり違うようです。 7つのアーチ型の門がある石橋の上に楼閣が建っており、 川の氾濫や敵の侵入を防御する役割を果たしました。 7つの水門から溢れ出る水しぶきが 虹のように輝いて見えることから 華虹門と呼ばれ、水原八景にも選ばれています。
「北西砲樓」

今回の観光ルートは、先ほどご紹介した華虹門が最後だったのですが、駐車場付近でトイレ休憩を しているときに、もう一個建造物があるのを発見しました! それがこちら「北西砲樓」(北東砲樓かも!?)です。  一つ余分に見ることができてラッキーでした。 中から見るのもいいですが、こうして外から外観を眺めるってのもなかなかにいいものです。

北西側に位置する北西砲樓は黒レンガを積んで雉城のように城外に突き出しています。  内部は木版を利用して3層に区切り、砲眼を作って火砲を隠しておき、上下から一度 に攻撃できるようにしてあります。