カ サ ゴ

《 カサゴ目 フサカサゴ科 カサゴ属 》


【概 要】
カサゴ(笠子)は、カサゴ目フサカサゴ科に分類される海水魚。
日本近海を含む太平洋西部の暖海域に分布し、沿岸の岩礁や海中林などに生息する。 食用魚としてさまざまな料理に用いられる。

【特 徴】
最大で全長30cmになる。 体色は普通、赤色〜褐色地に不規則な形状の薄色斑が見られるが、体色や模様は生息環境や個体により変異がある。  近縁のメバルに比べて体の断面が丸く、眼が小さく、口が大きい。 鰭に鋭い棘があるので、釣った際は気をつけなければならない。

浅い所に棲むカサゴは岩や海藻の色に合わせた褐色をしているのに対し、深い所に棲むカサゴは鮮やかな赤色である。  後者をウッカリカサゴとして別種扱いすることもある。 

【生 態】
日本の北海道南部から朝鮮半島、中国、台湾、および、フィリピンまでの海域に分布する。

海岸近くから水深200mくらいまでの岩礁域に生息する。 メバルほど泳ぎ回らず、海底で生活することが多い。 昼は物陰に潜み、夜になると餌を 探して泳ぎ出す。 食性は肉食で、ゴカイ、甲殻類、小魚などを大きな口で捕食する。 卵胎生。体内受精を行い、卵ではなく仔魚を産む。  秋に交尾したメスは1〜3ヶ月後くらいに数万尾の仔魚を生む。 ただし母胎の仔魚はヒトのように母体とへその緒でつながれるわけではなく、 自身が持つ卵黄の栄養分で育つ。 なお同じフサカサゴ科のメバルも胎生であるが、オニカサゴなどは卵生である。

【その他】
日本においては江戸時代、勇ましい姿が武家に好まれ、端午の節句に飾られる縁起の良い魚の一つであった。

日本では釣りの対象魚としてなじみ深く、穴釣り仕掛けで根がかりに注意すれば防波堤や岩場からも比較的簡単に釣れる。  特に夜活発で動くものに襲いかかるため、釣り餌も生きたスジエビ、イソメなどが使われる。 メバルやアイナメとともに、根魚の代表格である。  また最近ではワームを使ったルアーフィッシングの好対象魚となり、比較的容易に釣れることから「ロックフィッシュゲーム」と称され人気が出ている。

和名は、頭部が大きく、笠をかぶっているように見えることから起こった俗称「笠子」に由来すると考えられている。 一方、皮膚がただれたように見えることから、 「皮膚病にかかって瘡(かさぶた)ができたような魚」との意味での「瘡魚」が語源であるとする説もある。  「笠子」と「瘡魚」は漢字表記としてともに存在する。 地方名として、関西地方の「がしら」「がし」、山陰地方(鳥取・島根)の「ぼっか」、 島根の「ぼっこう」、岡山の「あかめばる(赤眼張)」「あかちん」、四国徳島の「ががね」、瀬戸内海西部沿岸地方(広島・愛媛など)の「ほご」、 九州は宮崎の「ががら」「ほご」、および、熊本・鹿児島の「あらかぶ」「がらかぶ」「がぶ」などがある。 

【釣果記録(抜粋)】
2012/05/26
走水伊勢町
2012/04/28
森戸海岸
2012/04/01
走水伊勢町

【料 理】
独断と偏見の評価:★★★★
カサゴおよびその近縁の魚は、身は脂が乗っている割に身の締まっている白身で美味で、和・洋ともにさまざまな料理に使われる。  和食では鍋料理・潮汁・味噌汁・煮付けといった汁ものや塩焼きが好まれ、小振りであれば唐揚げとしても多く食される。  また、頭が大きく歩留まりこそ悪いが刺身や握り寿司にもされ、美味である。 洋食であればブイヤベースやアクアパッツァなど。
2012/05/26
カサゴ刺身
2012/05/19
カサゴ唐揚げ
2012/05/12
カサゴの煮付け