CVN−78 Gerald R.Ford
ジェラルド・R・フォード(USS Gerald R. Ford, CVN-78)は、アメリカ海軍の航空母艦である。 総工費129億ドル(約1兆4400億円)の巨艦は、建造予定の同級空母4隻のうちの1番艦(ネームドシップ)。
2009年に起工され、2016年に就役を予定して建造が進められていたが、2017年に就役した。 艦の名称は第38代アメリカ合衆国大統領のジェラルド・R・フォードにちなむ。
2009年11月13日、ニューポート・ニューズ造船所で起工。 2013年11月9日、ジェラルド・フォードの娘スーザン・フォードによって命名される。 2015年6月4日、電磁式カタパルトでテストウエイトの射出実験に成功。 2017年1月、2017年3月に造船所による海上試験、2017年4月に受け入れ試験、2017年4月の出荷試験を実施すると発表。 その時点で試験プログラムの93%で、全体では99%完了しているとされた。 2017年4月8日、海上公試運転に向けて造船所を出航し、4月14日にノーフォーク海軍基地に帰港。 5月31日、米海軍に正式に引き渡された。 ジェラルド・R・フォードは、ニミッツ級空母によく似ているが、アメリカ海軍が海での戦闘の未来像について、どう考えているかを示す重要な技術的進歩を遂げている。 新しいフォード級空母は、ニミッツ級空母の3倍の電力を発生する最新の原子炉を搭載している。 この巨大な発電能力により、就役中に登場するであろう新たなテクノロジーを搭載可能とされ、 海軍が開発中のレールガンのようなエネルギー兵器を搭載できるとされる。 また、ニミッツ級空母は、FA-18や他の艦載機を射出するために精巧な蒸気カタパルトを搭載しているが、フォード級は巨大な発電能力を活用した電磁式カタパルト(EMALS)を搭載している。 EMALSはより重い艦載機を射出できるのみならず、負荷も小さく、機体の摩耗や劣化を抑えることができる。 さらに、カタパルトの能力アップは、将来、新しい発想での機体設計を可能にすることが予想されている。 新たなテクノロジーを採用することで、ニミッツ級よりもさらに艦橋をより小さくし、さらに艦尾側に移動させることができた。 これにより、従来よりもスペース効率と艦載機へのアクセシビリティが向上し、メンテナンス時間や補給作業の改善が図れるようになる。 海軍は、これにより艦載機の稼働効率が33%向上すると見ている。 その他、電磁力を利用した先進型兵器エレベーター、ニミッツ級に比べより幅広い艦載機に対応し着艦時の衝撃も少ない先進型着艦制動装置(AAG)、2つの周波数帯を同時に使い、低高度の航空機とミサイルを効率的に識別するデュアルバンドレーダー(DBR)等新しい技術が取り入れられている。 フォード級の成功は、技術革新だけでもたらされるものではなく、まだ設計も製造もされていない艦載機や兵器を将来的に搭載しようという大胆な意図、そして今後、数十年にわたってアメリカのシーパワーを確固たるものにしようという決意が示されたものである。 |
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艦 歴 |
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発注 | 2008年9月10日 |
起工 | 2009年11月13日 |
進水 | 2013年10月11日 |
就役 | 2017年7月22日 |
退役 | − |
母港 | ノーフォーク海軍基地 |
仕様・諸元 |
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排水量 | 満載排水量:100,000 t以上 |
全長 | 332.84 m |
全幅 | 78 m |
喫水 | |
機関 | A1B加圧水型原子炉 2基 蒸気タービン4機, 4軸 |
最大速 | 30ノット以上 |
航続距離 | |
乗員 | 士官・兵員:2,180 名 航空要員:2,480 名 |
兵装 | ・ファランクス CIWS × 3 ・ESSM短SAM 8連装発射機 × 2 ・RAM 近SAM21連装発射機 × 2 |
艦載機 | 75 機以上 |