インヴィンシブル



 インヴィンシブル級航空母艦(Invincible class aircraft carrier)とは、イギリスの建造した、世界初の現代的な意味での軽空母である。イギリス海軍における分類は、CVS(支援空母)。

 第二次世界大戦で、ドイツのUボートに苦しめられたイギリスは、戦後も対潜航空戦力を重視した。戦時中の空母の老朽化に伴い、1960年代アメリカの大型空母並みの排水量54,000tの空母が 計画(CVA-01級)されたが、資金面から頓挫した。次に、要は対潜能力さえ高ければいいと、対潜指揮艦として排水量12,500t程度のヘリ空母が計画されたが、ヘリだけでは防空性能に 不安があると、これも頓挫した。 さらに70年代より空母不要論が議会で持ち上がったため当初は指揮巡洋艦(ヘリコプター搭載巡洋艦)として計画された。しかし、陸上STOVL機ハリアーの開発に成功し、小型でも航空機の 運用可能な目途が付き、1973年、一番艦インヴィンシブルが起工された。1978年、ハリアーの艦載機化(シー・ハリアー)に成功。1980年インヴィンシブル竣工。

 1982年のフォークランド紛争では小型の空母として、シー・ハリアーのコンビが戦闘で有効であることを世界に印象づけたが、対空防御能力の不足や搭載機数が少ないことが問題となった。 戦後の数度の近代化改装によって、7度のスキージャンプを12度(イラストリアスは13度)に変更し、艦首のシーダート艦対空ミサイルを撤去し飛行甲板と格納庫を拡大した。 主機関は、当時としては珍しく、ディーゼル式ではなく、構造が単純で保守点検が容易なガスタービン式。艦首にスキージャンプ勾配を採用。航空機はシーハリアー16機、ヘリコプターも シーキング12機を搭載可能。

 2007年現在では、シーハリアーの退役に伴いハリアー GR.7/GR.9、早期警戒型のシーキング ASW.2、マーリン HC.1等を搭載している。 1番艦のインヴィンシブルは2005年7月に退役、モスボール化され2010年まで有事には現役復帰することになっている。インヴィンシブル級の後継としてクイーン・エリザベス級航空母艦が 計画されていて、それらの就役により、イラストリアスは2012年(クイーン・エリザベス級一番艦:『クイーン・エリザベス』が配備される年)、アーク・ロイヤルは2015年 (クイーン・エリザベス級二番艦:『プリンス・オブ・ウェールズ』が配備される年)に退役する予定。

 同型艦は3隻存在し、1番艦「R05 インヴィンシブル」(退役)、2番艦「R06 イラストリアス」、3番艦「R07 アーク・ロイヤル」となっている。
艦 歴
発注    
起工 1973年
進水    
竣工 1980年
退役 2005年7月
母港    
仕様・諸元
排水量 基準排水量:16,000 t
満載排水量:22,500 t
全長 210 m
全幅 36 m
喫水 8 m
機関 COGAGガスタービン4基,2軸
最大速 30 ノット
航続距離    
乗員 乗員:1,110名(内航空要員384名)
兵装    
艦載機 シーハリアー16機、シーキング12機
愛称