F/A−18E/F(マグダネル・ダグラス社)



 従来のF/A-18は、退役するA-6の更新用としては航続距離が短く、兵器搭載能力も不足していたため、改良型であるF/A-18E/Fが開発された(E型は単座型、F型は複座型)。 F/A-18E/Fは、F/A-18C/Dを改良・大型化したものであるが、多岐に渡る改修の結果、C/D型とE/F型の共通部品は僅か1割程度となっており、実際には別物と言っても過言ではない 程の再設計がなされている。 また、愛称はホーネットからスーパーホーネット(Super Hornet)に変更された。非公式な愛称としてはライノ(Rhino)等が存在している。なお、E/F型をスーパーホーネットと 呼ぶのに対して、在来型を非公式に「レガシーホーネット」と呼ぶ事もある。

 F/A-18C/Dからの主な改修点は以下の通り。

@機体の大型化

 胴体が86cm延長されており、レドームも大型化している。胴体だけでは無く主翼・尾翼・ストレーキ等といった翼の面積拡大もされている。また翼面積だけでなく、操舵翼の 面積も大きく拡大している。これらの改修によりアビオニクス改修用の余剰スペースの増加、機内の燃料容量の増加(C型の6061Lに対しE型は8063L)による航続距離の延長、 運動性の向上等がなされている。一方、機体の大型化による空気抵抗増加、下記のインテイクの変更等の影響により、速度性能は在来型と比べ低下しているとも言われる。 なお、機体が大型化した一方で機体の総部品数は減少している。

Aインテイクの二次元型への変更

 ステルス性を考慮しインテイクを二次元型に変更した。F-14やF-15の二次元型インテイクのような断面積可変式ではなく固定式になっており、在来型同様、E/F型も超音速性能を 重視していない設計である点には変わりが無い。

Bエンジンの換装

 F-404シリーズからF-414-GE-400へ換装されている。推力の向上・エンジンをデジタル式制御している点が特徴。なお騒音はただでさえ大きいとされている従来品よりさら大きく なり、裁判沙汰にまで発展した。

Cアビオニクスの改修

 レーダーがAN/APG-65からAN/APG-73へと改修されている。サイズや重量を殆ど増加させる事なしに性能が向上している。また、アクティブ・フェーズド・アレイ・レーダーで あるAN/APG-79も搭載可能。その他、主な改修点として携行可能な兵装の種類が増えている点も挙げられる。
仕様・諸元(F/A-18A)
全長 18.38 m
全幅 13.62 m
全高 4.88 m
空虚重量 14,007 kg
発動機 GE製 F414-GE-400 × 2
最高速度 M 1.8
航続距離    
武装 ・M61A1 20mmバルカン砲 × 1
[空対空]
・AIM-9 サイドワインダー
・AIM-7 スパロー
・AIM-120 AMRAAM
[空対地]
・AGM-65 マーベリック
・AGM-84K SLAM-ER
[空対艦]
・AGM-84 ハープーン etc