F−102(コンベア社)



 F-102はコンベアが開発しアメリカ空軍に制式採用された戦闘機(要撃機)である。愛称はデルタダガー(Delta Dagger)。初飛行は1953年。

 F-102は北米大陸に来襲すると想定されたソ連の爆撃機を要撃する目的で1949年より開発が開始された。北米大陸においてSAGEシステムと リンクし、要撃を行うことを基本としている。機体形状はインテイクを胴体側面に持つ単発デルタ翼機であり、垂直尾翼も三角翼である。

 1951年12月にYF-102の発注が行われている。ただしこれは試作機を表すY記号がついているものの、実は初期量産型であった。試作機をつくらず、 いきなり量産型の生産を行う「クック・クレイギー計画」という方式によって、本機の開発は開始された。テストはスローペースで生産される初期量 産型で行い、テストから本格的な量産までスムーズに進行するのがメリットだが、テストにおいて欠陥が発見された場合は最悪の結果となるが、 本機はクック・クレイギー計画の最悪の例になってしまった。

 F-102Aは、総計879機が生産され、1971年まで現役であった。アメリカ本土での防空が主任務であったため、実戦記録はないが、1962年から 1969年には、ベトナム戦争に関連して南ベトナムにおける基地防空の任に派遣されている。退役後は、200機以上がPQM-102A無人標的機に改造された。

 F-102Aは機銃は搭載せず、AIM-4 ファルコン空対空ミサイル、AIM-26A ファルコン空対空ミサイル(核弾頭)、2.75インチ空対空ロケット弾を 機内弾薬庫に搭載した。AIM-4は最大6発搭載でき、前後の弾薬庫に3発づつ収納した。なお、ドッグファイトは考慮されていない。 火器管制装置を向上させたF-102Bが計画されていたが、これは空力的な改良も含めて、1956年には、F-102BはF-106として制式採用された。 しかし、非常に高価であったため、こちらの配備数は340機にとどまった。
仕様・諸元
全長 20.83 m
全幅 11.61 m
全高 6.45 m
空虚重量 8,777 kg
発動機 P&W J57-P-25 アフターバーナー付ターボジェット × 1
最高速度 1,304 km/h
航続距離 2,175 km
武装 ・ロケット: 70 mmロケット弾 × 24
・ミサイル:
  AIM-4 ファルコン × 6
  AIM-26 ファルコン(通常弾頭又は核弾頭) × 1