CH−46(ボーイング・バートル社)



 CH-46 はアメリカ合衆国の航空機メーカー、ボーイング・バートル社が製造した双ローター方式のヘリコプターである。

 バートルはパイアセッキ・ヘリコプターの流れを汲む会社で、設立間もない1956年に大型輸送機の開発に取り組んだ。機体はターボシャフトエンジン双発、タンデムローターの ヘリコプターで、エンジンを胴体後方の上部に取り付け、客室の騒音軽減と面積拡大をはかり、貨物の積み込みを簡易にする為、機体後部に傾斜板式の扉をとり付けた。 また、客室は完全密閉できるように処理し、水上でも安全に運用できるようにした。

 バートルモデル107(V-107)と名づけられた原型機は1958年4月に初飛行し、この巨大ヘリコプターに目をつけていたアメリカ陸軍によって、7月に研究用YHC-1A(後にYHC-1C)として 少数が購入されたが、エンジン出力が小さかった為に採用されなかった。陸軍の不評によって注文は全く無く、そこでエンジンをゼネラル・エレクトリックのT-58-110-1に転換して出力を 強化したモデル107Uを発表して、1960年10月25日に初飛行した。すると、アメリカ海兵隊が1961年に強襲揚陸作戦用ヘリコプター HRB-1「シーナイト」(Sea Knight)として採用した ことにより、軍民両用の機体として注目されるようになった。その後、アメリカ軍の航空機呼称が変更され、CH-46「シーナイト」に統合された。

 バートルは1960年にボーイング社に吸収されて、同社のヘリコプター部門(ボーイング・バートル、後に完全吸収)となるが、CH-46の生産は続けられ、カナダやスウェーデンなどへ 輸出された。また、この機体の特徴はすぐ後に生産された弟分のCH-47によく受け継がれている。
仕様・諸元
全長 13.66 m
全幅 2.21 m
ローター直径 15.24 m
全高 5.09 m
自重 5,251 kg
全備重量 9,700 kg
発動機 General Electric CT58-140-1 ターボシャフト × 2
最高速度 254 km/h
航続距離 396 km
実用上昇限度 5,180 m
収容人数 乗員 3 + 兵員 25