A−7(LTV社)



 A-7は、アメリカ合衆国が開発した艦上攻撃機である。LTV社によって開発された。愛称はコルセアU(CorsairU)。

 1962年よりアメリカ海軍はA-4の後継機の検討を開始した。これは1963年5月に軽攻撃機を意味するVAL計画としてまとめられ、各社に艦載の軽攻撃機の提案を求めた。 これは、航続距離、搭載量、全天候性能などでA-4を上回り、1967年には配備可能とするものであった。また、開発期間が短いために既存の機種からの改修・発展型に 限定されていた。 ダグラス社、ノースアメリカン社、グラマン社、LTV社の4社が提案を行った。この中でLTV社は空力面でF-8に範をとった案を提出し、1964年2月11日に選定された。 1964年3月19日には、A-7の開発契約が結ばれた。 開発は順調に行われ、1965年9月27日にはA-7Aの初飛行が行われた。ベトナム戦争の影響もあり、量産機の生産も迅速に行われ、1966年10月14日には部隊配備が開始されている。

 F-8戦闘機に空力面で範をとったため、単発エンジン、高翼配置の主翼、機首下のインテイクなどは基本配置は同じである。しかし、F-8は超音速戦闘機であったのに対し、 A-7は亜音速攻撃機であるために異なる点も多い。特に後退角は35度まで減少している。また、胴体下面に大型のダイブブレーキを装備している。

 アメリカ海軍・空軍のほか、ギリシャ空軍、ポルトガル空軍で採用された。アメリカ海軍では1991年に、空軍でも1993年に退役している、 現在は中古機を購入したタイ海軍が陸上基地より運用している。

 戦歴としては、ベトナム戦争でアメリカ空軍・海軍が使用したほか、1986年には、エルドラド・キャニオン作戦によるリビア爆撃にも用いられた。 1989年のパナマ侵攻や1991年の湾岸戦争にも用いられている。
仕様・諸元
全長 14.06 m
全幅 11.80 m
全高 4.88 m
空虚重量 9,033 kg
発動機 アリソン TF-41 ターボジェット, 64.5 kN (6,577 kg) (14,500 lb) × 1
最高速度 1,123 km/h
航続距離 4,600 km
武装 ・M61 20mm機関銃 × 1(1,030 発)
・ミサイル(AIM-9 サイドワインダー 空対空ミサイル × 2、AGM-45 シュライク 対レーダーミサイル、AGM-62 ウォールアイ、AGM-65 マベリック 空対地ミサイル、AGM-88 HARM 対レーダーミサイル
・爆弾(Mk.82 500 lb(230 kg)通常爆弾 × 30以上、ペイヴウェイ レーザー誘導爆弾、GBU-15 TV誘導/赤外線誘導爆弾、B28, B57, B61 核爆弾 × 1