キエフ



 キエフ級航空巡洋艦は、旧ソ連・ロシア海軍が建造したVTOL空母。運用側の名称は1143号計画艦「クリェーチェト」(ロシア語:Пр. 1143 "Кречет")で、計画名は隼のこと。 モスクワ級ヘリコプター巡洋艦に続いて建造された。

 ロシア・ソ連海軍における類別は「重航空巡洋艦」で、キエフ級重航空巡洋艦のネームシップである。 他の西側のVSTOL空母と異なり、スキージャンプを持っていない為、Yak-38は当初、VTOLのみでの運用となった (ただし、1980年代に入り、ようやくSTOVL運用が行われるようになった)。4番艦バクーはアドミラル・クズネツォフの試験艦として建造された為、艦形及び兵装や電子機器が他の艦と 異なっており、「改キエフ級」と呼ばれて別クラスとされる事も多い。 上記各艦は各種能力を鑑みると明らかに航空母艦であるが、モントルー条約によるボスポラス海峡をはじめとするトルコ領海を航行する必要から政治的配慮として航空巡洋艦と識別される。

 本艦は、ソ連崩壊時には予備役となり、同型艦ゴルシコフ用の部品供給艦となる。2000年中国に売却。天津に建設中の軍事テーマパークに展示予定であるが、テーマパーク自体の建設が 遅れている。ただし同艦の外観は完全に修復されており、2006年7月8日、同艦の格納庫内部において"SILKROAD INTERNATIONAL MODELS CONTEST"なる「ミス・コンテスト」が開催された。
艦 歴
発注    
起工 1970年7月21日
進水 1972年12月27日
竣工 1975年1月3日
退役    
母港    
仕様・諸元
排水量 基準排水量:36,000 t
満載排水量:41,400 t
全長 273.1 m
全幅 53 m
喫水 8.2 m
機関 蒸気タービン8缶4基,4軸(180,000 hp)
最大速 32 ノット
航続距離 8,000 海里
乗員 1,615 名
兵装 ・P-500SSM連装発射筒 × 4基
・4K60SAM連装発射機 × 2基
・9K33MSAM連装発射機 × 2基
・76.2mm連装砲 × 2基4門
・AK-630 30mmCIWS × 8基
・533mm5連装魚雷発射管 × 8基
・RBU-600012連装対潜ロケット発射機 × 2基
・RPK-1SUM連装発射機 × 1基
艦載機 28 機(Yak-38 12機、Ka-25、Ka-27、Ka-29 16機)
愛称