Tu−160(ツポレフ設計局)



 Tu-160(NATOコードネーム:ブラックジャック(Blackjack))は、ソ連がアメリカの戦略爆撃機B-1に対抗して開発した可変翼超音速戦略爆撃機である。

 初飛行は1981年であり、アメリカの偵察衛星によって発見された。 アフターバーナー付きのターボファンエンジンを4基搭載し、超音速飛行が可能。機体サイズはB-1より一回り大きく、最高速もB-1より高い。 後退角は20度、35度、65度の三段階から手動で選択する(B-1は全自動)。航行システムはアナログが多用されており、飛行性能に限って言えばTu-160が 上回っているが、兵器システムとしてはB-1に及ばないと思われる。当初B-1と非常に酷似したその形態から模倣であるという批判をアメリカが行ったが、 「同じコンセプトを目指した結果、同じ形になった」というロシア側の反論は的を射ていると言える。同じような事例は、当時のソビエトが開発していた 宇宙往還機「ブラーン」においても発生した。

 当初はTu-95をリプレースする予定であったといわれているが、40機程度を製造した時点でソ連が崩壊してしまい、その時点で生産は終了となった。 なお、ロシア共和国以外の地域に実戦配備されていたTu-160は所属地域である旧ソ連構成諸国に引き取られた。しかしながら、最新鋭かつ極めて構造の 複雑なTu-160をこれらの旧構成諸国が運用するのは非常に難しく、全く運用されることなく放置され続けた。 そのため、90年代中期から2000年前後にかけて、ロシア連邦が買い戻し交渉を行ってほぼ全てを回収するかまたは解体処分を行った。 現在はおよそ20機前後がロシア空軍に所属しており、これらの機体は一応運用されている。近年では時折各地の航空ショーや演習などに参加しているのが 確認されており、十数年ぶりに新規製造が再開されていたことも確認されている。今後、場合によってはさらなる増強が行われるかもしれない。

 Tu-160は、2005年10月現在、14機が運用中であり、2005年中に更に2機(内1機は、核巡航ミサイルではなく、通常爆弾を装備)を受領した模様である。 これらの機体は、最高司令部直轄の第37航空軍(戦略航空隊)の第22親衛重爆撃機師団第121親衛重爆撃機連隊が装備している。 各機は、Kh-55(AS-15A)核巡航ミサイル×12発を搭載する。湾岸戦争等におけるアメリカ空軍のB-1爆撃機の運用経験を考慮して、通常戦での 運用も検討されており、1999年には通常弾頭装備のKh-555の運用試験が行われ、現在、自由落下爆弾の搭載も計画されている。
仕様・諸元
全長 54.1m
全幅 55.7m(後退角20度)、50.7m(35度)、35.6m(65度)
全高 13.1 m
空虚重量 118,000 kg
発動機 サマラ/ツルド(クズネツォフ)NK-321×4
最高速度 2,000 km/h
航続距離 10,500〜14,000 km
武装 最大40t