羽黒(妙高型重巡洋艦)



 羽黒(はぐろ)は、旧日本海軍の重巡洋艦で、妙高型重巡洋艦の4番艦。艦名は山形県の羽黒山に因んで命名された。

 三菱造船長崎造船所(現・三菱重工長崎造船所)にて建造。 就役後は第2艦隊第4戦隊に所属。1934年5月に近代化改修に着手。1941年12月の太平洋戦争開戦時には第3艦隊第5戦隊に所属し、フィリピン攻略に参加する。 1942年に珊瑚海海戦、ミッドウェー海戦など数々の海戦に参加。 1945年5月16日、イギリス海軍機の攻撃を受け損傷する。翌17日、駆逐艦「神風」とともに航行中、マラッカ海峡にてイギリス駆逐艦「ソマーズ」「ヴィーナス」「ヴィラーゴ」「ヴェルラム」 「ヴィジラアント」と交戦。先制するが英駆逐艦の雷撃を受け、02:32に船首部分から沈没した。同乗していた橋本信太郎中将、艦長杉浦嘉十大佐以下400名あまりが戦没。(ペナン沖海戦)

 その後60年近くを経て、2003年に「羽黒」の船体は発見されたが、船体上部の損傷は大きなものであった。2005年9月23日にはペナン島沖で日英合同慰霊祭が開催された。

[同型艦]
・妙高
・那智
・足柄
艦 歴
起工 1925年3月16日
進水 1928年3月24日
竣役 1929年4月25日
喪失(沈没) 1945年5月16日
除籍 1945年6月20日
建造所 三菱造船長崎造船所
仕様・諸元
排水量 13,963 t
全長 203.76 m
全幅 19.0 m
喫水 10.97 m
機関 ロ号艦本式重油専燃缶12基、艦本式高低圧タービン4組
(130,000shp)
最大速 35.6ノット
航続距離 7,000浬(14kt航行時)
乗員 773 名
兵装 ・50口径3年式2号20cm(20.3cm)連装砲 × 5基
・40口径89式12.7cm連装高角砲 × 4基
・保式13mm4連装機銃 × 2基
・留式7.7mm機銃単装 × 2基
・92式4連装魚雷発射管 × 2基(使用魚雷 90式61cm16本)
搭載機 ・水偵:4機
射出機:呉式2号5型 × 2基