しらね(しらね型ヘリコプター搭載護衛艦)



 しらね型護衛艦(しらねがたごえいかん、JMSDF DDH SHIRANE class)は海上自衛隊が保有するヘリコプター搭載護衛艦である。第4次防衛力整備計画(4次防)ではるな型護衛艦の発展型として 造された。こんごう型護衛艦が建造されるまで、海上自衛隊で最大の護衛艦であった。

 しらね (JMSDF Shirane, DDH-143) は、しらね型護衛艦の1番艦である。艦名は白根山に因む。

 主要装備は「はるな型護衛艦」と同様、3機の哨戒ヘリコプターであり、1番艦「しらね」は就役当初HSS-2Aを搭載、後にHSS-2Bに改めた。2番艦「くらま」は当初からHSS-2Bを搭載したが、 両艦とも後にSH-60Jに換装している。大型ヘリコプターを搭載する艦艇は珍しくないが、3機も搭載する駆逐艦は世界でも珍しいが、これは搭載機数であり、3機同時に運用できるわけではない。

 艦後部がヘリコプター格納庫及び発着甲板となっているため、主要兵装は砲も含め、艦前部に集中している。5インチ単装砲2基を背負い式に装備し、艦橋の直前にアスロック発射機を備えている。 はるな型の場合、就役時に艦対空ミサイルを搭載していなかったのに対し、本級は就役時からシースパローミサイルを護衛艦として初搭載した。ミサイル護衛艦(DDG)以外で初めてミサイルを 搭載した艦ということにもなる。このシースパロー発射機は、艦の後部・ヘリコプター格納庫上にある。
また「くらま」は就役時からファランクスCIWS(高性能20ミリ機関砲)やTASS(曳航式パッシブ・ソナー)を搭載した初めての護衛艦となった(「しらね」も後日装備)。さらに本級は戦術情報 処理装置(TDPS[Tactical Data Processing System])やデータ・リンクシステムを装備、海上自衛隊初の本格的なシステム艦としても知られる。その他OPS-123次元レーダー、OQS-101ソナーなど、 本級で初めて採用された新兵器は数多く、就役後も衛星通信アンテナなど各種装備を逐次追加している。

[同型艦]
・DDH-144 くらま
艦 歴(しらね)
起工 1977年2月25日
進水 1978年9月18日
就役 1980年3月17日
喪失(沈没)
除籍
建造所 石川島播磨重工業 東京第1工場
仕様・諸元
排水量 基準排水量:5,200 t
満載排水量:6,800 t
全長 159 m
全幅 17.5 m
喫水 5.3 m
機関 蒸気タービン2基2軸(70,000馬力)
最大速 32ノット
航続距離  
乗員 350 名
兵装 ・127mm54口径単装速射砲 × 2門
・ファランクスCIWS × 2基
・シースパロー艦対空ミサイル8連装発射機 × 1基
・3連装短魚雷発射管 × 2基
・アスロック8連装発射機 × 1基
艦載機 SH-60J哨戒ヘリコプター × 3機