初春(初春型駆逐艦)



 初春(はつはる)は、大日本帝国海軍の駆逐艦で、初春型の1番艦である。この名を持つ日本海軍の艦船としては2隻目。

 佐世保工廠で1931年5月14日に起工され、1933年9月30日竣工した。日本の駆逐艦として初めて、魚雷次発装填装置を設けた。

 太平洋戦争開戦時には、第1水雷戦隊第21駆逐隊に所属し、内海西部で対潜掃蕩に従事した。1942年1月、輸送船団を護衛しダバオに入港し、出港後の同月25日に軽巡洋艦「長良」と触衝し、 ダバオで応急修理を実施した。同年5月、北方部隊に編入し、アッツ攻略作戦に参加、以後、千島方面等で活動した。同年10日17日、キスカへの輸送中に敵機の攻撃を受け被弾、戦死2名、 負傷者14名が出て航行不能となり、曳航され舞鶴で1943年9月末まで修理を行った。 修復後は、シンガポール、トラック島、千島など各地で護送任務についた。1944年3月から北海道方面で活動し、6月より硫黄島輸送作戦に従事。10月、第二次多号作戦に参加し、オルモックへの 突入に成功した。11月13日、マニラ湾において米空母機動部隊の空襲を受け沈没した。

[同型艦]
・子日 , 若葉 , 初霜 , 有明 , 夕暮
艦 歴
起工 1931年5月14日
進水 1933年2月27日
竣役 1933年9月30日
喪失(沈没) 1944年11月13日
除籍 1945年1月10日
建造所 佐世保海軍工廠
仕様・諸元
排水量 基準排水量 : 1,400 t
公試排水量 : 1,680 t
全長 109.5 m
全幅 10.0 m
喫水 3.5 m
機関 オール・ギアードタービン2基2軸2基2軸
(42,000hp)
最大速 36.5 ノット
航続距離 4,500海里(14kt航行時)
乗員 205 名
兵装 ・50口径12.7p連装砲 × 2基4門
・50口径12.7p単装砲 × 1基1門
・40mm単装機銃 × 2基
・61cm3連装魚雷発射管 × 3基9門(八年式魚雷18本)