冬月(秋月型駆逐艦)



 冬月(ふゆづき)は、日本海軍の駆逐艦。秋月型駆逐艦の8番艦。艦名は「冬の月」の意味。

 1941年度計画(マル急計画)による乙型一等駆逐艦の第361号艦として舞鶴海軍工廠で1944年5月25日竣工。

 竣工後は輸送任務に従事、「大淀」を護衛中の10月12日に被雷により損傷し、レイテ沖海戦には参加できなかった。

 1945年4月6日の「大和」を中心とする海上特攻作戦(坊ノ岬沖海戦)に第41駆逐隊として参加しロケット弾2発を受けたがいずれも不発、戦死者12名を出したが生還した。

 8月15日門司港にて終戦を迎える。終戦時、稼動可能な数少ない艦艇となるも8月20日に門司港内で触雷、行動不能となったため、復員輸送に従事せず工作艦の任務に就いた。

1948年3月から5月にかけて佐世保船舶工業(旧佐世保工廠)で解体。船体は「涼月」「柳」とともに福岡県北九州市若松区若松港の防波堤として利用された。 現地では軍艦防波堤と呼ばれたが、その後埋められた。現在は響灘臨海工業団地内の若松運河出口付近に「柳」船体の一部と案内板を見ることができる。 「冬月」「涼月」の船体は完全に埋めたてられていて確認することはできない。

[同型艦]
・照月 , 涼月 , 初月 , 新月 , 若月 , 霜月 , 冬月 , 春月 , 宵月 , 夏月 , 満月(未成) , 花月
艦 歴
起工 1943年5月8日
進水 1944年1月20日
竣工 1944年5月25日
喪失(沈没) 戦後解体(1948年3-5月)
除籍 1945年11月20日
建造所 舞鶴海軍工廠
仕様・諸元
排水量 基準排水量 : 2,701 t
常備排水量 : 3,470 t
全長 134.2 m
全幅 11.6 m
喫水 4.15 m
機関 ロ号艦本式缶3基、艦本式タービン2基2軸
(52,000馬力)
最大速 33.0ノット
航続距離 8,000海里(18kt航行時)
乗員 263 名
兵装 ・65口径10p連装高角砲 × 4基
・九六式25mm機銃3連装 × 5基
・九六式25mm機銃単装 × 12挺
・61cm4連装魚雷発射管1基4門
・九四式爆雷投射器2基(九五式爆雷 54個)