あさぎり(あさぎり型護衛艦)
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あさぎりは海上自衛隊の護衛艦である。 あさぎり型護衛艦の1番艦で、一度練習艦に種別変更されたが、その後護衛艦籍に復帰した。 練習艦籍にある間はやまぎり型練習艦の2番艦であった。
艦名は「朝、日が昇らないうちに立ちこめる霧」(朝霧)に由来し、旧海軍の春雨型駆逐艦「朝霧」、吹雪型駆逐艦「朝霧」に続いて日本の艦艇としては3代目となる。
「あさぎり」は、中期業務見積り (1983)に基づく昭和58年度計画3,500トン型護衛艦2222号艦として、石川島播磨重工業東京第1工場で1985年2月13日に起工され、1986年9月19日に進水、1988年3月17日に就役し、第2護衛隊群第42護衛隊に編入され、佐世保に配備された。 2005年2月16日、練習艦に種別変更され、艦籍番号がTV-3516に変更、練習艦隊第1練習隊に編入。 2012年3月14日、護衛艦に再度種別変更され、艦籍番号は護衛艦時代のDD-151に変更された。 護衛艦隊第14護衛隊に編成替えとなり、定係港が舞鶴となり、同地に転籍する。 現在は、護衛艦隊第14護衛隊に所属している。 あさぎり型護衛艦は「はつゆき型」の拡大改良型であり、五六中業の昭和58年度から61年度計画で計8隻が建造された。 あさぎり型の要求性能は、はつゆき型とほぼ同じだが、装備上の改善等が図られ排水量が増加している。 2022年12月16日に制定された防衛力整備計画で、2027年度までに数隻(1〜2隻)を除籍することが発表されている。 船型としては、はつゆき型と同じく遮浪甲板型を基本として後部を切り欠いた長船首楼型であるが、上甲板の整一化が図られており、遮浪甲板型に近づいた。 抗堪性の観点から機関区画をシフト配置としたこともあって、船体は7メートル延長され、排水量は約500トン大きくなった。 ソナーの装備位置が前方に移されたことから、水線上の艦首形状は、直線状のステムが前方に鋭くつきだして、2次防艦のクリッパー型を彷彿とさせるものとなったほか、主錨直後から艦橋構造物中部にかけてナックルが付されている。 艦橋構造物は1層低くなり2層とされ、排水量に比して非常にローシルエットな外観となった。 哨戒ヘリコプターを必要に応じて2機収容できるように格納庫が大型化された。 はつゆき型では排水量低減のために上構にアルミニウム合金を多用したものの、これは抗堪性の問題が指摘されていた。 その後、51大綱が策定され、それまで重視されていた単年度会計における単艦の建造費の圧縮から、中期防衛力整備計画における艦艇定数の制約、すなわち質の重視へと移行したため、極端な排水量抑制を行う必要がなくなったことから、はつゆき型8番艦(やまゆき)以降では上部構造物を全鋼化した。しかしこれに伴う重量増は、それ以上の重量の固定バラストによって補償する方式とされたため、最大/巡航速力や航続性能など、各種運動性能の低下をもたらした。 このことから、本型では重量増を船体設計に盛り込むことで復原性を確保することとされ、全幅が1メートル増大された。 本型ははつゆき型よりも大型化し、常備排水量5000トン級となったことで最大速力30ノットを発揮するためには主機出力54,000馬力が必要と見積もられたものの、1基で片舷分の27,000馬力を発揮できるガスタービンエンジンは当時存在せず、はつゆき型と同様のCOGOG方式の採用は困難であった。 一方、ちょうどこの時期に実用化されたロールス・ロイス スペイ(14,000馬力級)であれば、COGAG方式で所要の出力を確保できる見通しがついた。 このことから、本型ではイギリス海軍の22型フリゲートバッチ3で良好な実績を示していたスペイSM1Aを1基あたり13,500馬力で使用することで、合計出力54,000馬力を確保した。 これにより、主機関2基のみの運転(2分の1全力)で26〜27ノットと、ソナー有効最大速力以上の速力を発揮できるようになった。 また本型では、主減速装置の弾性支持やプロペラの大径化・低回転化、補機・管系の防振対策強化など、水中放射雑音の一層の低減が図られている。 蒸気タービンおよびマルチプル・ディーゼル主機関の護衛艦では、左舷軸用と右舷軸用の主機関を前後に間隔を置いて配置するシフト配置が採用されてきた。これに対し、はつゆき型では排水量の制約のため、複数の機械室に両舷機を左右対称に設置するというパラレル配置が採用されたものの、抗堪性の面で問題が指摘されていた。 このことから、本型では蒸気タービン艦と同様に、前方の第1機械室が左舷軸、補機室を挟んで後方の第2機械室が右舷軸を駆動するシフト配置とされた。 これに伴って、煙突も主マスト後とヘリ格納庫直前の2本に変更され、それぞれ左右にシフトして設置されている。 COGAG機関のシフト配置という方式は、本型以降に建造されたすべての甲型警備艦(DD, DDG, DDH)において踏襲された。 設計の最終段階で急遽格納庫を大型化したために格納庫周りの設計が複雑化し、特に後部主機の煙路は排気路抵抗から主機関出力に悪影響を及ぼす懸念が指摘されていた。 しかし1番艦「あさぎり」は設計変更が間に合わず、第2煙突が2番艦以降と比べ左舷側に寄っている。 その関係上、第2マストは排煙の影響を受けないよう、ヘリ格納庫天蓋から延長されたフラット上に移設された。 戦術情報処理装置は、はつゆき型のOYQ-5をベースとしているが、その能力は大幅に強化されている。 OYQ-5はDDに求められる最小限の機能を保有していたが、電子計算機の性能上、将来発展余裕に乏しく、プログラムの柔軟性発揮が難しかった。 また特にリンク 11の未装備は、艦隊の情報共有に参加できないという点で、戦力の大きな減殺となった。 このことから電子計算機のメモリサイズを拡張するなど強化することで、対空レーダーやヘリコプター戦術情報表示装置(HCDS)との連接やリンク 11の送受信に対応するなど機能を充実させたOYQ-6が搭載されている。 対空戦システムは、基本的にはつゆき型のものがベースとされており、個艦防空上のブラインド・ゾーン発生防止の観点から、艦首甲板に62口径76mm単装速射砲(76mmコンパット砲)、艦尾甲板にシースパローIBPDMSの8連装ミサイル発射機を振り分けて配置するとともに、また近接防空用として高性能20mm機関砲を上部構造物両舷に搭載している。 射撃指揮装置(FCS)は、前期型4隻(あさぎり、やまぎり、ゆうぎり、あまぎり)では、主砲用(GFCS)としてFCS-2-22A、IBPDMS用(MFCS)としてFCS-2-12Eが装備されている。 [同型艦] ・DD-152 やまぎり ・DD-153 ゆうぎり ・DD-154 あまぎり ・DD-155 はまぎり ・DD-156 せとぎり ・DD-157 さわぎり ・DD-158 うみぎり |
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艦 歴(あさぎり) |
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| 起工 | 1985年2月13日 |
| 進水 | 1986年9月19日 |
| 就役 | 1988年3月17日 |
| 除籍 | 就役中 |
| 建造所 | 石川島播磨重工業 |
仕様・諸元 |
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| 排水量 | 基準排水量:3,500 t 満載排水量:4,900 t |
| 全長 | 137 m |
| 全幅 | 14.6 m |
| 喫水 | 4.4 m |
| 機関 | 川崎ロールス・ロイス スペイSM1Aガスタービン × 4基(54,000馬力) |
| 最大速 | 30ノット |
| 航続距離 | |
| 乗員 | 220 名 |
| 兵装 | ・62口径76mm単装速射砲 × 1門 ・Mk.15 Mod2 高性能20mm機関砲(CIWS)× 2基 ・ハープーンSSM4連装発射機 × 2基 ・GMLS-3型A シースパロー短SAM 8連装発射機 × 1基 ・ファランクスCIWS × 2基 ・74式アスロック8連装発射機 × 1基 ・68式3連装短魚雷発射管 × 2基 |
| 艦載機 | ・HSS-2B/SH-60Jヘリコプター × 1機 |