瑞鳳(祥鳳型航空母艦)



 瑞鳳(ずいほう)は、旧日本海軍の航空母艦。 祥鳳型航空母艦の2番艦である。

 日本海軍はロンドン海軍軍縮条約による航空母艦の保有制限から逃れるために、戦時に航空母艦に迅速に改造できる艦船の保有計画を持っていた。 その計画により建造されることになったのが、瑞鳳の前身である「高崎」であり、当初は給油艦として設計された。 その後、建造途中で軍縮条約から脱退したために、より航空母艦に改造しやすい潜水母艦に計画変更され、さらに潜水母艦から航空母艦へと計画を再変更、艦名も「瑞鳳」と改名した。

 太平洋戦争では、ミッドウェー海戦における主力空母4隻の喪失後に、軽空母ながら貴重な空母戦力として大型正規空母に伍して活躍。 南太平洋海戦やマリアナ沖海戦に参加し、また危険が多い硫黄島周辺海域での索敵や南方拠点への航空機輸送などを歴戦し、 日本機動部隊最後の戦いとなったレイテ沖海戦でも囮役である小沢機動艦隊の一翼として参加した。  

 艦隊はエンガノ岬沖にて複数回にわたってアメリカ艦載機群の空襲を受け、集中的に攻撃された空母は次々に沈没または行動不能に陥る。 そして最後の空母となった瑞鳳も至近弾82発、魚雷2発、爆弾2発の被害を受け、午後3時27分に沈没。 これにより日本海軍最後の 機動部隊となった小沢艦隊の空母は全滅した。 駆逐艦「桑」に艦長以下847名、戦艦「伊勢」に98名が救助された。

[同型艦]
・祥鳳
艦 歴
起工 1935年6月20日
進水 1936年6月19日
竣工 1940年12月27日
喪失(沈没) 1944年10月25日
除籍 1944年12月20日
建造所 横須賀海軍工廠
仕様・諸元
排水量 基準排水量:11,200 t
公試排水量:13,100 t
全長 205.5 m
全幅 18.0 m
喫水 6.64 m
機関 ロ号艦本式重油専焼水管缶4基 , ロ号艦本式重油専焼缶2基、艦本式オール・ギヤード・タービン2基2軸(52,000hp)
最大速 28ノット
航続距離 7,800浬(18kt航行時)
乗員 792 名
兵装(竣工時) ・40口径12.7cm連装高角砲 × 4基
・25mm連装機銃 × 4基
兵装(最終時) ・40口径12.7cm連装高角砲 × 4基
・25mm3連装機銃 × 10基
・12cm28連装噴進砲 × 6基
搭載機 ・艦上戦闘機 : 18 機
・艦上攻撃機 : 9 機