蒼 龍



 蒼龍(そうりゅう)は、旧日本帝国海軍の航空母艦である。中型空母で、赤城・加賀の運用経験で確証を得られた手法に基づき設計され、日本空母のモデル形になった。当初は航空巡洋艦 として設計が進められ、基準排水量を10,000トン余りの船体には不釣合いの重兵装と高速力とを実現させるよう軍令部から指示が出された。しかし、当初は蒼龍の同型艦として計画されていた 飛龍が竣工する頃にはワシントン軍縮会議およびロンドン軍縮会議の効力が無くなると判断し、蒼龍の設計を改めた結果、後の日本海軍の正規空母のモデルとなるスタイルを確立させた艦として 誕生したのである。

 艦橋は右舷前部にあり、右舷中部に下方排出式の煙突を持つ。中型空母としての性能は申し分なく、15万馬力の機関を搭載した蒼龍の最大速力は34.9ktを記録し、日本海軍の正規空母の 中で最も足の速い艦でもあった。

 1934年11月20日呉海軍工廠にて起工。1935年12月23日に進水し、1937年12月29日に竣工した。第2航空戦隊に編入され、1938年広東攻略作戦に参加。

 1941年11月26日、真珠湾攻撃のため択捉島単冠湾を出港。12月8日真珠湾を攻撃。帰投中の12月21日、22日第2次ウェーク島攻略作戦支援のため飛龍と共にウェーク島を空襲。

 1942年1月アンボン島攻略作戦を支援。2月19日ポート・ダーウィン空襲に参加。4月セイロン沖海戦に参加、英空母ハーミーズ等を撃沈。

 6月ミッドウェー海戦に参加。5日、米急降下爆撃機の攻撃を受け爆弾3発が命中、大破炎上し沈没。艦長柳本柳作大佐以下718名が戦死。
艦 歴
発注    
起工 1934年11月20日
進水 1935年12月23日
竣工 1937年12月29日
喪失 1942年6月5日
除籍 1942年8月10日
仕様・諸元
排水量 基準排水量:15,900 t
公試排水量:18,500 t
全長 227.5 m
全幅 21.3 m
喫水 7.62 m
機関 152,000 hp
最大速 34.5 ノット
航続距離 7,680 海里
乗員 1,100 名
兵装 ・12.7cm連装高角砲12門
・25mm連装機銃 14基 28門
艦載機 73機(常用57、補用16)