鳳 翔



 鳳翔(ほうしょう)は、旧日本帝国海軍の航空母艦である。

 最初から航空母艦として起工された中で、世界で最初に完成した艦である。イギリス海軍のハーミーズの方が起工されたのは早かったが、完成は遅れ鳳翔より後になっている。 なお、ここで述べている「世界で初の艦」というのはあくまでも「設計・開発段階の当初から空母としての運行を目的として建造された艦(正規空母)として世界初」の意味である。 改造空母(既成の軍艦を改造してできた艦)はこれ以前にもイギリスとアメリカに存在し、イギリスのフューリアスは第一次世界大戦にも参加している。また日本でも水上機母艦という分類で 「若宮」が存在している。

 建造当初は起倒式の煙突とアイランド構造の戦闘指揮所を持っていたが、改装時に煙突は倒した状態で固定、アイランドは撤去され、フラットデッキ化が徹底される。 着工した時点では空母「竜飛」として着工したが、途中で「鳳翔」に改名された。 艦型が小型であり、また日本海軍が艦載機用カタパルトを採用しなかったため、太平洋戦争開戦後の最新機を運用することは不可能だった。

 1932年、上海事変で出撃。1935年、台風による暴風雨で損傷(第四艦隊事件)。1937年、日中戦争に参加。

 1942年6月のミッドウェー海戦では戦艦を基幹とするミッドウェー島攻略部隊主力に編入されたが交戦は無かった。 その後、新型機に対応するため飛行甲板やエレベータを拡大したために外洋航海に支障が生じ、訓練用空母として内海で運用されることになった。開戦時に日本海軍に在籍していた艦艇の 中で、無傷で終戦を迎えた艦は航空母艦では本艦だけだった。戦後は復員船として使われ、その後解体された。
艦 歴
発注    
起工 1919年12月16日
進水 1921年11月13日
就役 1922年12月27日
喪失
除籍 1945年10月5日
仕様・諸元
排水量 公試排水量:10,500 t
全長 180.8 m
全幅 18.0 m
喫水 6.2 m
機関 30,000 shp
最大速 25 ノット
航続距離 10,000 海里
乗員 550 名
兵装 ・14cm単装砲 4基
・8cm単装高角砲 2基
艦載機 26機(常用15、補用11)