F−4(マクダネル・ダグラス)



 F-4はマクドネル社が開発し、アメリカ合衆国海軍をはじめ、多くの国の軍隊に採用された艦上戦闘機。 初飛行は1958年。当初の番号は海軍がF4H 、空軍がF-110 で、後の番号改変でF-4となった。愛称はファントム U。 Uとなったのは、太平洋戦争末期にマクドネル社がFH-1 ファントムを開発していることからである。 ちなみにこの頃、マクドネル社は開発した機体の愛称を亡霊系で統一していた(ブードゥー、デーモン等)。

 F-4はアメリカ初の全天候型艦上戦闘機として開発され、大型の翼と出力の高いエンジンの装備で搭載量を高めたのが特徴で、 当時の西側陣営では代表的な機体。後にダグラス社と合併して、マクドネル・ダグラス社になってからも増産し続け、 西側を中心に世界中で5000機以上が運用された。

 日本の航空自衛隊では、対地攻撃能力を保持したままでは周辺国の脅威になるという意見により、米空軍型のF-4Eから 対地攻撃能力や空中給油能力を取り除いたものをF-4EJとして採用した。機体の旧式化による性能向上が必要となったため、 大部分の機体がF-4EJ改に改修された。また、偵察機としてのRF-4Eと、F-15配備で余剰となったF-4EJを偵察機に改造した RF-4EJも採用されている。尚、全世界での通算最終号機は、第5航空団第301飛行隊所属の「17-8440」である。
仕様・諸元(F-4E)
全長 19.2 m
全幅 5.0 m
全高 11.7 m
空虚重量 13,757 kg
発動機 ジェネラル・エレクトリック J79-GE-17A 軸式コンプレッサー ターボジェットエンジン × 2
最高速度 M2.23
航続距離 2,600 km
武装 M61 バルカン砲 ×1
AIM7×4、AIM9×4
核兵器、自由落下爆弾、クラスター爆弾、テレビ誘導・レーザー誘導爆弾、対地ミサイル、対艦ミサイル、対滑走路兵器、ロケット・ポッド、ターゲッティング・ポッド、偵察ポッド
配備基地 ・三沢基地:第3航空団 - 第8飛行隊(支援戦闘機部隊)
・百里基地:偵察航空隊 - 第501飛行隊(RF-4部隊)
・浜松基地:第1術科学校
・岐阜基地:飛行開発実験団
・新田原基地:第5航空団 - 第301飛行隊
・那覇基地:南西航空混成団 - 第83航空隊 - 第302飛行隊