シャルル・ド・ゴール



 シャルル・ド・ゴール (Porte-avions Charles de Gaulle) は、フランス海軍の10番目の航空母艦であり、初の原子力水上艦である。 米海軍以外では唯一の原子力空母である。フランス海軍旗艦。地中海側のツーロン軍港を母港とする。推定建造費170億フラン。

 1989年4月14日、ブレストの国営造船会社で建造が始まり、当初はリシュリューと命名されたが、後にジャック・シラク首相(当時)の介入でシャルル・ド・ゴールに変更された。 クレマンソー級の退役にあわせ当初は1996年に就役させる予定であったが、冷戦終結による予算削減の影響で工期が遅れ1994年5月7日に進水、就役予定は1999年に変更となった。 しかしその後1996年に原子炉の強度不足が発覚し補修、2000年には早期警戒機のE-2Cを運用するにはアングルド・デッキが短いことが判明したため、アングルド・デッキを4m伸ばす工事を 行うなど予定外の工事が発生、就役はさらに遅れた。 2001年5月18日正式に就役し、同年9月アメリカのアフガニスタン侵攻支援のため、インド洋に派遣された。スエズ運河を通過して、同年12月9日カラチ南方海上に到着し、米軍の指揮下で ラファール、シュペルエタンダールなどが140回に及ぶ偵察・空爆作戦を行った。2002年3月には一時休養のためシンガポールに入港し、7月1日ツーロンに帰港している。

 船体は正規空母としてはじめてステルス性に考慮したものとなり、米海軍の空母と同じようにカタパルトを備え着艦にはアングルドデッキを使用するものとなっている。米海軍の空母が カタパルト4基、エレベータ4基、艦載機約80機を搭載するのに対してシャルル・ド・ゴールはカタパルト2基、エレベータ2基、艦載機約40機とちょうど半分程度の能力となっている。 レーダーや艦載機、対空ミサイルなどは基本的に自国製となっているが、カタパルトと早期警戒機はアメリカ製のC13とE-2Cを輸入し使用している。 防空ミサイルにはアスター15とミストラルの2種類のミサイルを装備し通常より高い防空能力を誇っているが、艦船には一般的に装備されているCIWSを搭載していない。 冷戦終結後のアメリカ海軍では、空母の核兵器は降ろされたが、フランス海軍の空母は搭載する航空機に核攻撃能力を与えていて、原潜の戦略核と合わせて現在でも重要な任務の一つと されている。現在ではシュペールエタンダールに核ミサイル「ASMP」が搭載可能で、将来的にはラファールに任務が引き継がれる。
艦 歴
発注    
起工 1989年4月14
進水 1994年5月7日
就役 2001年5月18日
退役    
母港 ツーロン
仕様・諸元
排水量 基準排水量:36,600 t
満載排水量:40,600 t
全長 261.5 m
全幅 31.5 m
喫水 8.5 m
機関 加圧水型原子炉2基、蒸気タービン2基
最大速 27 ノット
航続距離    
乗員 乗員:1,950名(内航空要員550名)
兵装 ・ミストラルSAM6連装発射機 × 2基
・アスター15SAM用VLS SYLVER 4基32セル
・20mm機関砲 × 8門
艦載機 40機(ラファール12機、シュペルエタンダール20機、E-2C 3機、シュペル・フルロン2機、AS 565 パンサー/NH90 3機)
愛称