ダンケルク(ダンケルク級戦艦)
ダンケルク (Dunkerque) は、フランス海軍の戦艦である。ダンケルク級戦艦の1番艦。艦名は同国の港湾都市ダンケルクに因む。
フランス海軍初の「高速戦艦」であった。
ダンケルクは1932年12月24日にブレスト海軍工廠で起工し、1935年10月2日に進水、1937年5月1日に就役した。同時代の戦艦と比べ、 主砲2基と副砲の一部を4連装砲塔に収めたことで軽量化に成功し、その浮いた重量分を装甲の強化に当て、かつ主砲塔2基を艦前部に集中配置とした ことでヴァイタル・パートも短縮化できたため功・防・走のバランスの取れた艦となった。ダンケルクはドイツのポケット戦艦に対抗する目的で 建造され、全ての点でドイッチュラントを凌駕する優れた艦であった。 設計は4連装主砲塔2基を艦前方に配置するなどその前に竣工したイギリス海軍のネルソン級と同じく非常に革新的な主砲配置を採用していた。 本級のモデルとなったネルソン級は3連装砲塔3基を艦首側甲板に集中的に配置していたが、3番目の砲塔は2番砲塔と塔型艦橋に阻まれ、その射界が 限られたものであった。 4連装砲塔はノルマンディー級より続く、ダンケルク級やリシュリュー級といったフランス新戦艦の外見上の大きな特徴で あった。 第二次世界大戦の初期、まやかし戦争の間にダンケルクは姉妹艦のストラスブールと共に、長大な航続性能を生かして連合国側で船団護衛任務に 従事した。1939年8月にはイギリス海軍と共同してアドミラル・グラーフ・シュペーの追撃戦に参加している。 1940年6月にフランスが降伏すると、ダンケルクとストラスブールはアルジェリアのメルセルケビールでドック入りし整備される。 1940年7月3日にイギリス軍は、フランス艦隊を無力化するためメルセルケビール港攻撃を行たが俊足のストラスブールはトゥーロンへ脱出成功し、 ダンケルクは中破したが沈没を避けるため故意に浅瀬に座礁させられた。二日後、空母アーク・ロイヤルの艦載機による雷撃でダンケルクは一層の 被害を受けた。 後にダンケルクは浸水を排水し、応急修理終了後しばらくしてから1942年2月にトゥーロンへ帰還した。トゥーロンで、ダンケルクは乾ドックに 入渠し本格修理された。 11月27日、ドイツ軍が侵攻してきたためストラスブールと共に自沈処理が行われた。ダンケルクの艦長は当初自沈処理を 拒否したが、ラ・ガリソニエールの艦長に説得され自沈を受け入れた。 ダンケルクは戦後の1945年に浮揚され、解体処分された。 |
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艦 歴(ダンケルク) |
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起工 | 1932年12月24日 |
進水 | 1935年10月2日 |
就役 | 1937年5月1日 |
喪失(沈没) | 1942年11月27日にドック内で自沈 |
除籍 | 1945年 |
建造所 | ブレスト海軍工廠 |
仕様・諸元 |
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排水量 | 基準排水量:26,500 t |
全長 | 215.14 m |
全幅 | 31.1 m |
喫水 | 8.7〜9.63 m |
機関 | インドル式重油専焼水管缶6基 ,ラテュ式ギヤード・タービン4基4軸推進(135,585hp) |
最大速 | 31ノット |
航続距離 | 7,200海里(13,334km)16ノット航行時 |
乗員 | 1,381名 |
兵装 | ・33cm52口径4連装砲 × 2 ・13cm52口径連装両用砲 × 2 ・13cm52口径4連装両用砲 × 3 ・37mm60口径連装機関砲 × 10 ・13.2 mm76口径連装機銃 × 16 |
艦載機 | 水上機4機(常用3機、予備1機)、カタパルト1基 |