TIGER
(フランス、ドイツ共同開発/ユーロコプター社)

 Tigerはフランス アエロスパシアル社とドイツ MBB社が協同で開発した攻撃ヘリコプターである。。現在は両社により設立されたユーロコプター社が生産を担当している。

 1984年の協同開発計画合意から始まった両国の双発攻撃ヘリコプター開発であったが、装備品や価格の高騰化により作業は遅れ、原型1号機が完成したのは1991年のことであった。 しかも運の悪いことに完成式典は湾岸戦争のため中止されている。

 スタイルはオーソドックスな縦列複座(タンデム)型式であるが、機体構造は複合素材を大量に使い軽量化されており、ローターハブも部品を極力少なくして運動性・耐久性を高めている。 複合素材製のローター翼は通常使用時においてのみだが耐用年数を無限に設定しているほど頑丈な物である。

 エンジンは MTU/ロールスロイス/チュルボメカの協同開発による MTR390エンジンを2基搭載しており、片方が停止した場合は残り1基の緊急出力発揮による飛行が可能となっている。 また被弾して潤滑油が流れ出した場合でも30分の飛行が保証されている。

 フランス軍向けは支援攻撃任務に特化した HAP と対戦車攻撃に特化した HAC の2種類を別々に製作しており、HAP は機首部に30mmチェーンガンを搭載していることで見分けがつく。 またドイツ軍向けの UHT と仏軍の HAC にはローターマスト上にセンサーポッドが搭載されており、被発見率を下げるのに役立っている( HAP は操縦席上部に照準センサー部がある)。

 1999年からようやく量産が開始され、仏・独両国でそれぞれ200機以上の調達が予定されており、量産型の引き渡しは2002年から開始されている。
仕様・諸元(Tiger UHT)
全長 14.08 m
全幅
(ロータ径)
13.0 m
全高 3.81 m
空虚重量 3,300 kg
発動機 MTU/RR/チュルボメカ社製 MTR390ターボシャフト × 2
最高速度 298 km/h
航続距離 800 km
武装 ・ATM × 8
・自衛用AAM × 4
・その他機関砲ポッド、ロケット弾ポッドを搭載可能