SuperEtendard(フランス/ダッソー・ブレゲー社)



 シュペルエタンダール (Super Etendard) は、フランスのダッソー・ブレゲー社の開発した艦上戦闘攻撃機である。

 エタンダールWの後継機としてSEPECATジャガーの採用が計画されたが、政治的な理由から計画がとりやめられたため、エタンダールW Mを改良して設計された。 対艦ミサイル「エグゾセ」と同時に開発が進められ、原型機は1974年10月28日に初飛行した。

 アルゼンチン海軍に14機採用されたシュペルエタンダールは、イギリスとのフォークランド戦争で活躍した。また、イラン・イラク戦争においてイラクが発注した ミラージュF1の納入が遅れたため、このつなぎとして5機がイラク空軍に貸与され、主にイラン向けタンカーに対しての通商破壊やイラン艦艇への攻撃に使用された。 これらは、失われた1機を除いてミラージュF1納入後にフランスに返還された。

 なお、専用の空対空レーダーを備えていないため戦闘能力は限定的であり攻撃機に分類される場合が多いが、兵装搭載量が2.1tと少なく、また航続性能にも難が あるために増槽の携行が必須となり、米海軍の艦上攻撃機に比べて打撃力は非常に小さい。核弾頭搭載の巡航ミサイル「ASMP」を運用可能で、戦略原潜と並び フランス海軍の核戦力の一つでもある。

 2010年をめどに、ラファールMへの更新により退役する予定である。
仕様・諸元
全長 14.31 m
全幅 9.60 m
全高 8.86 m
空虚重量 6,450 kg
発動機 SNECMA Atar 8K50 × 1
最高速度 1,200 km/h
航続距離 1,320 km
武装 ・30mmDEFA機関砲 × 2(弾数各125)
・エグゾセ対艦ミサイル × 1
・ASMP巡航核ミサイル × 1
・400kg通常爆弾 × 2
・マトラR550対空ミサイル × 2
・増加燃料タンク × 2など最大2,100 kgの兵装を搭載可能