Ｌａｖｉ（ＩＡＩ）
|
Ｌａｖｉは、イスラエル空軍が米国の予算・技術供与により開発した多目的戦闘機である。米国の F-16とよく似たシルエットを持つカナードデルタ翼の
機体で、"ラビ"（若いライオン）と名付けられた。
搭載されるエンジンはP&W社のF100ターボジェットエンジンを元にしたPW1120エンジンで、F-16Cなどに搭載されるF110に比べ若干推力が劣るため、 最高速度は低めである。兵装配置は F-16 同様で翼端に自衛用AAMを搭載するほか、翼下や胴体下にかなりの量の兵装（AAM、AGM、通常爆弾など）を 搭載できるようになっている。 1980 年に始まった開発プロジェクトにより原型3機が製作された。原型機はどれも複座型として製作されたが、基本的には単座型がメインの機体となり 全部で約300 機がイスラエル空軍に導入される予定であった。原型1号機は後部座席にテスト用計測装置を満載して1986 年末に初飛行した。 かなり有望視された開発プロジェクトであったが、米国政府の反対（冷戦終結による予算制限が主な理由だが、実際には自国の航空機業界保護が 目的であったと言われる）や、大量生産により安価となったF-16導入のため1987年8月にこの開発プロジェクトは中止されてしまい、完成していた3機の 原型機（3号機は中止時点では制作中であったが、一応1989年に完成した）も技術デモンストレーターや兵装のテストベッド機として生涯を終えることに なった。 |
|
仕様・諸元 |
|
|---|---|
| 全長 | 14.57 m |
| 全幅 | 8.78 m |
| 全高 | 4.78 m |
| 空虚重量 | 7,030 kg |
| 発動機 | プラット&ホイットニー社製 PW1120ターボジェット × 1 |
| 最高速度 | M 1.85 |
| 航続距離 | 戦闘行動半径:1,110 km |
| 武装 | ・30mm機関砲 × 1 ・翼端にAAM × 2、翼下および胴体下に最大 7,250 kgまでの兵装を搭載可能 |
