HAWK(イギリス/BAe社)
ホークは、ホーカーシドレー社が開発した単発ジェット練習機である。軽攻撃機としての使用も可能である。初飛行は1974年8月21日。ホークの製造と販売は、
1977年にホーカシドレー社からBAe社に移り、BAe社は1999年にBAE システムズとなった。30年以上に渡って生産され、総生産機数は700機以上である。
イギリス空軍は1964年より、練習機ナットやハンターの後継機を求めていた。当初は、英仏共同開発のジャギュアをそれに充てる計画でいたが、 ジャギュアが練習機としては高価なものとなったために、中間練習機としての使用をとりやめ、より経済性の高い機体を開発することとなった。 1970年末に発行された要求仕様ASR397にアルファジェット社、ホーカーシドレー社、BAC社の3社が応じた。このうち、1968年より検討していたホーカーシドレー社の 亜音速練習機HS.1182モデルが、1971年10月に採用されることとなり、1973年にホークの名称が与えられた。ホーカーシドレー社はコスト削減のため、試作機を 製造せずに量産を始めることを提案され、初期量産機のうち5機が運用試験に使われた。1974年8月21日にダンカン・シンプソンの操縦するXX154が初飛行した。 一般に公開されたのは同年のファーンボロ航空ショーであった。1976年1月4日にイギリス空軍の訓練学校に引き渡され、1977年から兵器訓練のため、同空軍の 戦術兵器部隊 (TWU) での使用が開始されている。 機体は、単発ジェットで亜音速機である。主翼はゆるい後退角を持ち、低翼配置となっている。着陸の容易さを狙って主脚の間隔は広く取られている。 乗員は2名で、座席はタンデム配置。キャノピーは大きく、視界が広く取られており、前後の座席の高低差も大きいため、後席の視界も良い。パイロンは、 主翼各2箇所と胴体中央の計5箇所にあり、爆弾もしくは機銃ポッドを搭載する。T.1A(ホーク Mk.100)以降は翼端にAIM-9L サイドワインダー赤外線誘導空対空 ミサイルが搭載できるようになった。 本機は、簡素だが堅実な設計が評価され、各国への輸出も好調である。レッドアローズ (Red Arrows) が使用していたナットも1979年からホークへの交代が 始まり、1980年からホークで曲技飛行を披露するようになった。レッドアローズ所属機には胴体下部にはオイルや染料を入れるタンクが備えられ、3つの管から 放出できる。一部の機はT.1Aへ改装し、戦時には局地防衛に投入することを想定されている。 |
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仕様・諸元 |
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全長 | 11.96 m |
全幅 | 9.39 m |
全高 | 4.0 m |
空虚重量 | 3,647 kg |
発動機 | ロールス・ロイス/チュルボメカ アドーア Mk 951 ターボファンエンジン × 1 |
最高速度 | 1,038 km/h |
航続距離 | 3,094 km |
武装 | ・機銃:30mm 機関砲搭載可 ・爆弾:最大 3t ・IR-AAM を最大2発 |