AlphaJet
(フランス/Dassault社、西ドイツ/Dornier社 共同開発)



 ダッソー/ドルニエ アルファジェット (Dassault/Dornier Alpha Jet) とは、フランスのダッソー社とドイツのドルニエ社が協同で開発した軽攻撃機および高等練習機である。

 1960年代初期にイギリスとフランスは超音速ジェット軽攻撃/練習機を共同で開発しはじめた。この共同開発でSEPECAT ジャギュアが開発されたが、フランスが望んだ軽攻撃機とは 言いがたい戦闘機並みのサイズで、複座を利用して機種転換機としても運用された。このため、フランスはドイツに対して共同開発を持ちかけ、1968年に共同仕様書を作成、、 翌年にはそれぞれ自国での組み立てや200機の購入などを盛り込んだ協定が結ばれた。

 3つのメーカー・グループから提案がなされ、ダッソー/ブレゲー/ドルニエはTA501、SNIAS/MBBはE.650 ユーロトレイナー、VFW-フォッカーはVFT-291をそれぞれ提案した。 すべてがSNECMA/チュルボメカ製ラルザックターボファンエンジンを2基搭載することができた。ドイツ空軍は自国が保有するF-104 スターファイターがエンジンを1基しか搭載しておらず、 事故によって多数の機が消耗するという被害を受けていたため、練習機にエンジン2基を搭載するべきだと要求した。1970年、ブレゲー 126とダッソー P.375のコンセプトを統合して 開発されたTA501が採択され、1972年にダッソー/ブレゲーとドルニエに対して開発が承認された。それぞれの国で試作機が2機づつ製作され、1973年10月にイストルでダッソーが製作した 試作機が初飛行を行い、ドルニエが製作した試作機は翌年の1月にオーバーパッフェンホーフェンで初飛行した。また、残りの試作機も1974年中に完成した。その後、4機の試作機は 検証機として使用され、グラファイト・エポキシ複合翼の評価やラルザックエンジンの派生型改良に貢献した。
仕様・諸元(AlphaJet A)
全長 13.23 m
全幅 9.11 m
全高 4.19 m
自重 3,515 kg
発動機 SNECMA/チュルボメカ社製ラルザック04-C6ターボファン × 2
最高速度 994 km/h
航続距離 2,780 km
武装 ・27 mm マウザー BK-27 機関砲 × 1
・BL755 クラスター爆弾ユニット
・AGM-65 マーベリック、AIM-9 サイドワインダー、マトラ マジックU