ミナス・ジェライス
ミナス・ジェライス (Minas Gerais)は、ブラジル海軍初の航空母艦である。ミーナ・ジェライスとも呼ばれる。艦名は同国のミナス・ジェライス州に由来する。
軍艦としてはNAeL Minas Geraisと記載されるが、艦名の前につくNAeLは米海軍のUSSや英海軍のHMSの様な所属海軍を意味する文字ではなく、ポルトガル語で軽空母を意味する "Navio-Aerodromo Ligeiro"の頭文字をとった艦種記号である。 艦載された固定翼機は、攻撃機マクドネル・ダグラスA-4スカイホークと対潜哨戒機グラマンS-2トラッカーである。スカイホークはこの艦のために1997年に7000万USドルで購入が決定された クウェートの中古機であり、元々クウェートが1976年に購入した機体のうち湾岸戦争を生き残った物である。全23機中20機が単座型、3機が複座型であるが、一部は部品採り用としてであり、 全機が実動機ではない。スカイホークの購入に合わせて1998年4月から海軍が固定翼機の運用権を得ている。 元は第2次大戦中に建造された英海軍のコロッサス級空母HMSヴェンジャンス(1945年就役)である。1956年にヴェンジャンスはブラジルに320万英ポンドで売却され、アムステルダムの 造船所でアングルドデッキの増設など近代化改修を受けた後、ブラジルに引き渡された。改修費用は購入価格の実に3倍以上にもなった。空母の配備を押し進めたのはブラジリアの建設でも 知られる当時の大統領ジュセリーノ・クビチェックであり、艦名も彼の出身地にちなむ。 ブラジルにとっては初めての本格的空母であり、そのため搭載する固定翼艦載機の運用を巡ってブラジル海軍とブラジル空軍の間で白熱した議論が交わされた。その結果、1957年空軍が 艦載機の運用を主任務とする隊を新設し、空母に出向させることに決定した(1964年には艦載機の所有権そのものが空軍にあるとされているが、1998年には固定翼機の運用が海軍に移る)。 この艦の艦隊への編入は1960年になってからで、対潜哨戒機の母艦としてであった。 本艦の設計は古く艦齢も重ねていたため、改修や近代化を経てもその速度はもはや約20ノットが精一杯となっており、その速度はより近代的な航空機による作戦に必要とされている速度の 3/4でしかなかった。2000年にサン・パウロが就役し、2隻の空母を維持するには莫大な経費がかかることもあり、一旦ヘリコプター空母に格下げされた後、2001年にミナス・ジェライスの 退役が決定した。 |
|
艦 歴 |
|
---|---|
発注 | |
起工 | |
進水 | |
就役 | |
退役 | |
母港 | |
仕様・諸元 |
|
排水量 | 基準排水量:15,890 t 満載排水量:19,890 t |
全長 | 211.8 m |
全幅 | 36.4 m |
喫水 | 7.5 m |
機関 | 蒸気タービン2基(40,000 hp) |
最大速 | 24 ノット |
航続距離 | |
乗員 | 1,300名(航空要員300名含む) |
兵装 | |
艦載機 | A-4スカイホーク 10〜12機 または S-2トラッカー 6機 SH-3 シーキング 3〜4機 UH-14シュペルプーマ 3機 |
愛称 |